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help リーダーに追加 RSS 民主党・太田和美氏(衆院千葉7区補選)の勝因分析

<<   作成日時 : 2006/04/26 05:08   >>

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 4月23日投開票された「衆院千葉7区補選」、僅差で民主党候補が勝利しただけに、与野党ともかなり余波が大きいように見えます(ただマスコミが煽ってるだけかもしれませんが)。政治って、ほんの少しの違いで政局が大きく傾くものなのだなぁ・・・と感じます。

 今回、民主党の太田和美氏が当選した要因として、様々な見方がされています。「小沢効果・小沢旋風」、「小泉自民党にあまり勝たせ過ぎてもよくないという有権者の思い」、「小沢流のドブ板選挙手法」、「『格差拡大社会の是正』が受けた」、「小泉チルドレンの大量投入に有権者が飽きた」、「武部勤考案の『ジャンケンパフォーマンス』が逆に反感を買った」、「小沢一郎が自転車に乗った」、等々・・・。どれも当てはまると思いますし、選挙というのは 様々な諸事情が複雑に絡み合ったゆえに出てくるものなのだと思います。選挙結果が出てから約2日過ぎ、僕もようやく若干冷静さを取り戻してきました。僕も今回の選挙結果に対して、あれこれ考えて自分なりに分析してみました。もちろん、様々ある要因のうちの一側面を見たにすぎませんが、まとめてみたいと思います。


「出口調査」結果による投票行動分析
 衆院千葉7区補選において共同通信社が実施した出口調査では、下記のような結果が出たそうです(データは「日本経済新聞」を参照)。

 【支持政党】
  自民党:44%、民主党:29.6%、公明党:4%、共産党:5.2%、社民党:2%、支持政党なし:11.5%
 <太田和美氏(民主党)に投票したのは>
   ・・・民主党支持層の90.5%、社民党支持層の68.4%、自民党支持層の16.8%、無党派層の57.3%
 <斎藤健氏(自民党)に投票したのは>
   ・・・自民党支持層の81.8%、公明党支持層の97.4%、無党派層の28.2%

 上記の出口調査結果のみを単純計算すると、太田氏は投票者全体の42.1375%、斎藤氏は43.131%の得票を得ていることになります。政党支持率では自民党に15ポイントのリードを許している民主党ですが、得票率ではほぼ拮抗しています(そして実際の結果では自民党を追い越してしまったわけですが)。この結果から、3つの気になるポイントを指摘しておきたいと思います。

@ 無党派層の大部分が 民主・太田氏に流れた
 最近の、特に都市部の選挙において勝敗のカギを握っている「無党派層」。今回は、明らかに民主・太田氏に風が吹いたようです。この要因は、マスコミ各社が報道しているような「小沢効果」等によるものだと思います。民主党支持層もしっかりまとめて、無党派層の大部分を押さえたゆえの結果でしょう。

A 民主・太田氏が 自民党支持層の16.8%を獲得した
 自民党支持層は今回、81.8%が自民・斎藤氏に投票しました。逆に、16.8%が民主・太田氏に流れました。選挙期間中、小沢一郎・民主党代表は、徹底したドブ板選挙を展開し、自民党の強い地元企業を回ったり、所属議員らに地元の企業や労組・特定郵便局等をしらみつぶしに回らせたそうです。その細かい運動こそが、この結果を生み出したのではないでしょうか?
 16.8%というと大した割合には見えないかもしれませんが、パイ(支持率)が大きい政党の16.8%です。当日の投票者(無効票は除く)が189,622票ですから、その44%のうちの16.8%・・・実に約14,016票です。2候補間の票差がわずか955票ですから、あと1.15%自民党支持層の票が民主党にいかなかったら、太田氏は落選していました。自民党の牙城に喰い込むという、小沢代表の戦略は見事に当たっていたといえるでしょう。

B 社民党支持層の68.4%が民主・太田氏に投票した
 今回、公認・推薦候補者を擁立していない社民党は、実質「自主投票」だったと思います。このようなとき、社民党支持者は、政治的スタンスからして、民主党候補者に投票するか 共産党候補者に投票するか の間で悩むのではないかと思います。事実上の「自民vs民主」の選挙(主として小選挙区制)だとすれば、当選可能性のほとんどない共産党候補者に入れて結果として自民党候補者を利するよりは 民主党候補者に入れた方が、より「現実的な」というか「マシな」結果が得られるという判断が働くというのは、ごく自然な発想でしょう。
 ただ、今回はそれだけではないと思うのです。昨年、前原誠司・前代表の下で行われた「参院神奈川補選」(この選挙でも社民党は候補者を立てず「自主投票」。自民・民主・共産の戦いとなりました)では、社民党支持層の約50%が共産党候補者に流れたと言われています。前原前代表は、就任早々 憲法第9条の改憲を主張したり、主要人事でも旧社会党系議員を排した上で、横路孝弘氏を衆議院副議長という政治的主張がしにくい立場に置いた ということを考えたとき、社民党支持者が「反民主」、「反前原」という思いを抱くのは無理もなく、結果として同じ「護憲」を主張する共産党候補者に多くが投票したというのは納得のゆく流れでしょう。しかし、小沢代表は、以前から民主党内の横路グループ(旧社会党系)とかなり接触していて、安全保障面での政策の擦りあわせをしていましたし、実際先日の民主党代表選では横路グループは明確に小沢氏支持を打ち出していました。そのことと、太田氏が「負け組ゼロへ」等 元々社民党が主張していた「格差拡大社会の是正」という政策を前面に押して選挙戦を戦ったこと とを考えると、社民党支持層が かなりすんなり太田氏に投票する環境が整っていたと言えるのではないでしょうか。それが社民党支持者の68.4%‐‐‐出口調査の結果を単純に計算して約2,594票‐‐‐が太田氏に投票したという結果といえるでしょう。
 もちろん、選挙区が違うので同一の比較はできませんが、955票差という票差を考えたとき、この僅かに思われる社民党支持層の投票行動も、絶対に無視できる数値ではなかったハズです。

 こう考えると、今回民主党・太田氏は、民主党支持層と無党派層をガッチリ固めた上で、一部の自民党の票にも喰い込み、さらに社民党の票の大部分をも得たゆえの勝利といえるでしょう。1986年衆参同日選挙で、衆議院で300議席を獲得する大勝利を治めた 中曽根康弘元首相の言葉を借りれば、今回小沢民主党・太田氏は、「ウイングを右にも左にも伸ばした」といえるのではないでしょうか。これが小沢氏の考えた戦略だとしたら・・・脱帽です。来年の参議院選挙、そして来たるべき衆議院総選挙も この戦略でいくのでしょうか? このような戦略は、党勢があるときは良いのでしょうが、それが少しでも躓くと 途端にバラバラになってしまうものです。寄り合い所帯の民主党なら尚更のことでしょう。とにかく、小沢体制での民主党、それに対峙する自民党の選挙方法・・・注目に値しますね。


太田和美氏が元キャバクラ嬢であることを素直に認めた潔さ
 ワイドショーやらスポーツ紙では、やたらと元キャバ嬢議員とか騒いでいるようですが、事の発端は 選挙期間中に「怪文書」なるものが出回ったことによるものだそうです。まぁ、怪文書のような汚い手を使うのは だいたいあそこだろうな・・・どことは言いませんが、恐らく 公に明るい政党か学会あたりだと思いますがね・・・2000年衆院選で共産党に関する怪文書を捲いていた「前科」もありますし(ってゆーか、その時の怪文書は我が家にも入っていました)。

 そんなことはどうでも良いのですが、その「怪文書」が出回って、週刊誌が報道したとき、太田氏は、過去のキャバ嬢歴を堂々と告白しました。それ、すごく良かったと思います。記者会見での、「社会の裏まで見た経験を生かして〜」云々は若干こじつけのような気もしましたが、僕個人的には、「キャバクラ嬢ということが社会的に間違っているとは思いません」みたいなこと(うる覚えなので、正確な発言ではありませんが)とキッパリ言ったのは、非常に好感を持ちました。確かに、例えば暴力団に関係しているとかいうのであれば話は別ですが、キャバクラ嬢という職業自体何にも法律に違反していることはないのですからね。むしろ、キャバ嬢だなんだで騒いでいたマスコミ・週刊誌や街頭演説で批判していた 浜四津敏子・公明党代表代行 らの方が 固定された先入観の塊 のような気がしましたけどね。むしろ、キャバ嬢の実態から、雇用問題・収入格差・格差拡大社会の是正等 へと自らの主張する争点へと広げることに成功したのではないでしょうか。

 先日の「TVタックル」で、三宅久之氏が「週刊誌で記事になった後、太田氏が(元キャバ嬢であることを)カミングアウトしたことで、週刊誌はもう記事にできなくなっちゃった」、「本人にとってプラスになったかどうかは分からないけど、少なくともマイナスにはならなかった」と言っていたり、勝谷誠彦氏が「怪文書は開き直るのが一番」と言っていたように、概ね世間の反応は良かったと思います。

 また別の見方として‐‐‐実は僕はこちらの方がより大きな効果を生んだと思うのですが‐‐‐元キャバ嬢という(政治家になるには今の日本の社会通念上、知られたくないと思われる)過去を 包み隠さず公表したことで、何人か、いや多くの有権者は、「この人 ウソつかない人なんだなぁ・・・」と思ったことでしょう。少なくとも僕はそう思いました。有権者にこのような感情を抱かせたことって、政治家にとってものすごくプラスだと思うのです。これが、最初否定して 後でバレちゃった・・・だったら最悪な結末を生んでいたことは間違いないでしょう。

 ところで、話は変わりますが、自民党の今回の公募(221人の中から斎藤健氏を選んだ)選考、ほぼ出来レースだったらしいですね。ったく、何の為に公募したんだか? 変えた変えたとか言ってる自民党、全然変わってないじゃん。太田氏の対応と比較すると、今回は、太田氏が勝って適当だったと感じました。


 ・・・ってな感じで、「投票行動」と「太田和美氏本人の人間性」という2つの観点から、今回の選挙を振り返ってみました。相変わらずダラダラした文章になってしまいましたが、自分が考えたことは余すところなく書けたつもりかな。こういうことをあれこれ考えられるから、選挙って、やっぱり僕にとって惹かれちゃうんだよなぁ・・・。

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2006/04/27 08:33
「小沢効果」の考察
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